Contents金利上昇がわが国の景気に与える影響

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昨年の秋から、わが国の長期金利(国債の流通利回り)の上昇が顕著になっています。昨年末、10年国債の流通利回り(長期金利)は2.05%程度でしたが、今年8月後半には2.9%近くまで上昇しています。この水準は約30年ぶりです。

金利上昇の要因の一つには、デフレからインフレへの環境変化があります。イラン戦争などで、エネルギー資源や食料の価格に上昇圧力がかかりました。世界的にインフレ圧力が高まる中、わが国では円安が進む一方、政府の積極財政策で財政懸念が高まりつつあります。それらの影響もあり、長期金利は上昇しやすくなります。

金利の上昇は、わが国の経済に様々な影響を与えます。預金者が受け取る利息が増えたり、円安に歯止めが掛かりやすくなるなどプラスもありますが、経済全体で考えると、マイナス面もあります。住宅ローンを借りている世帯などでは、金利の支払い負担が増えます。企業経営者の間でも、金利上昇への警戒感は上昇することが想定されます。国内企業を対象としたアンケート調査では、金利上昇のマイナスの方が大きいとの回答割合が44.3%に達しました。

今後、一段と物価が上昇し、国の金利はさらに上昇する可能性が高まるとみられます。足元では、日銀が、追加利上げペースを加速するのではとの報道も出ました。これから、金利上昇のペースが速まると、わが国の景気が減速する懸念も高まることも予想されます。

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真壁 昭夫
【プロフィール】
真壁 昭夫

1953年神奈川県生まれ。76年、一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。83年7月ロンドン大学経営学部大学院卒業。メリルリンチ社ニューヨーク本社出向などの後、市場営業部、資金証券部を経て、第一勧銀総合研究所金融市場調査部長。現在、多摩大学特別招聘教授。『はじめての金融工学』(講談社現代新書)など著書多数。

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