Contents社会保障費の主要財源である消費税の引き下げの議論

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2月の衆議院選挙で主な政党は、食料品などに掛かる消費税の軽減税率の引き下げを公約に掲げました。ただ、消費税は、基本的に社会保障費の主要な財源であるため、軽減税率を引き下げた場合には、それに代わる財源を見つける必要があるはずです。

わが国の税制状況は、主要先進国の中で最も悪化していています。その中で、国債発行に頼らず、新しい財源を見つけることは簡単なことではないでしょう。少なくとも、消費税率の引き下げには、慎重な検討と現実的な議論が必要になるはずです。

確かに、減税によって個人消費は一時的に上振れし、景気にプラスに働くと考えられます。問題は、その費用対効果です。消費税率の引き下げは、かかる費用に対して相対的に効果が低いとの見方が多いようです。また、無視できないデメリットは、社会保障制度への影響です。

仮に、消費税率の引き下げが行われると、わが国の社会保障制度の不安定化の懸念が高まるかもしれません。それだけではありません。これまでの給付水準を維持するために、国債の発行は増えると予想されます。それは財政悪化の深刻化につながります。

国債の増発が続くと、長期金利の上昇が深刻化する恐れがあります。金利の上昇は、個人の住宅ローンの利息支払い負担増や、企業の設備投資資金の調達コスト上昇につながることが懸念されます。それは、景気にとって重要なマイナスです。

わが国の景気の悪化懸念が高まると、円売りの圧力も高まりかねません。状況次第で、円、株式、債券を売却する“日本売り”に繋がることも想定されます。そうしたリスクを考えると、消費税率の引き下げは慎重に議論する必要があるはずです。

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真壁 昭夫
【プロフィール】
真壁 昭夫

1953年神奈川県生まれ。76年、一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。83年7月ロンドン大学経営学部大学院卒業。メリルリンチ社ニューヨーク本社出向などの後、市場営業部、資金証券部を経て、第一勧銀総合研究所金融市場調査部長。現在、多摩大学特別招聘教授。『はじめての金融工学』(講談社現代新書)など著書多数。

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