Contentsトランプ関税の悪影響が顕在化するわが国経済
8月20日、内閣府が発表した4〜6月期の機械受注統計によると、船舶・電力を除く民需の機械受注は、前期比0.4%増の2兆7,737億円(季節調整済み)でした。これによって、3四半期連続で増加となりました。機械受注は、民間部門の設備投資の先行指標といわれています。この数字を見る限り、わが国の設備投資は底堅いといえるでしょう。
ただ、懸念される点もあります。今回、内閣府は、先行きの7~9月期の機械受注見通しも公表しました。それによると、機械受注は減少することになります。この背景には、トランプ大統領の政策リスクを警戒する企業が増えていることがあるとみられます。業種別で見ると、関税の影響が大きい自動車分野などで設備投資に慎重な企業は増えています。
8月末の時点で、いつ、わが国の最重要の輸出品目である自動車の関税が15%になるかは不透明でした。トランプ大統領は、独自の考えで関税などの政策を発動するため、多くの企業にマイナスの影響が予想されます。今後も、トランプ政策に関するリスクは続くとみられ、多くの企業は対応が難しくなることが予想されます。
当面、産業のすそ野の広い自動車を筆頭に、わが国の設備投資が不安定化するリスクは上昇するでしょう。それは、企業の業績や生産活動に止まらず、わたしたちの日常の生活にも無視できない影響を及ぼすことになりそうです。
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1953年神奈川県生まれ。76年、一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。83年7月ロンドン大学経営学部大学院卒業。メリルリンチ社ニューヨーク本社出向などの後、市場営業部、資金証券部を経て、第一勧銀総合研究所金融市場調査部長。現在、多摩大学特別招聘教授。『はじめての金融工学』(講談社現代新書)など著書多数。
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