Contentsトランプ関税がわが国経済に与える影響
7月、米国のトランプ大統領は、わが国や欧州連合(EU)、ベトナムなどと関税交渉を行い、税率について、合意しました。一連の合意は、当初想定ほど関税は上がらなかったと安堵を与えたといえるでしょう。経済専門家の一部では、「トランプ氏はいつも最終的に譲歩する(TACO=Trump Always Chickens Out(トランプはいつもおじけづく)」との見方も出ています。
ただ、トランプ氏の政策運営の予測は難しく、関税政策などの影響は慎重に考える必要があります。トランプ氏の交渉の中で、米国の関税率は上昇しました。しかも、今後の政策がどうなるかはトランプ氏次第で、同氏の政策は一種の思い付きのため、一貫性は見られません。その意味では、とても厄介です。
トランプ氏は、7月の米雇用統計および過去分の下方修正はデータの捏造だと主張し、米労働省のエリカ・マクエンタファー労働統計局長の解雇を命じました。それは統計制度とデータに基づく政策立案、実行の不透明感を押し上げたといえるでしょう。
世界最大の経済大国である米国の経済政策の不透明感が高まると、企業や投資家はリスクをとることが難しくなります。関税引き上げの影響から、世界的に企業のコスト負担も増えます。それは、世界経済にとって重大なマイナスの影響を与えるはずです。わが国の景況感が一段と低下することには注意が必要です。
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1953年神奈川県生まれ。76年、一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。83年7月ロンドン大学経営学部大学院卒業。メリルリンチ社ニューヨーク本社出向などの後、市場営業部、資金証券部を経て、第一勧銀総合研究所金融市場調査部長。現在、多摩大学特別招聘教授。『はじめての金融工学』(講談社現代新書)など著書多数。
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