Contents予想を上回った5月の国内消費者物価と当面の展開予想
6月20日、総務省が発表した5月の消費者物価指数は、変動の大きな生鮮食品を除くベースで前年同月比3.7%上昇しました。主に、生鮮食品を除いた食料の価格の上昇が一段と加速したことが影響しました。わが国の物価の上昇ペースは、大方の専門家の予想を上回るペースで上昇しました。
このところの物価押上げの要因になったコメに関しては、小泉進次郎農相の備蓄米放出策や今後の新米の供給により、徐々に価格が低下する可能性はあります。政府の電気、ガス、ガソリン補助も物価の上昇を抑制する働きがあります。そうした要因を考えると、これから物価上昇が大きく加速することは考えにくいはずです。
一方、中東情勢の状況次第で原油価格に再び上昇圧力がかかり、世界的に資源、エネルギーの価格が上振れるリスクは残るでしょう。夏場の天候次第で、葉物野菜などの生産に悪影響が出る恐れもありそうです。国内での人手不足の深刻化も、物価を押し上げる要因の一つです。消費者物価が安定的に推移するまでには、まだ時間が掛かるとみた方がよさそうです。
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【プロフィール】
真壁 昭夫
1953年神奈川県生まれ。76年、一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。83年7月ロンドン大学経営学部大学院卒業。メリルリンチ社ニューヨーク本社出向などの後、市場営業部、資金証券部を経て、第一勧銀総合研究所金融市場調査部長。現在、多摩大学特別招聘教授。『はじめての金融工学』(講談社現代新書)など著書多数。
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