Contentsトランプ氏再選が世界経済に与える影響
11月5日の米国大統領選挙で、共和党候補のトランプ前大統領が再選されました。“米国第一”を掲げるトランプ氏勝利が確定した6日、米国の金融市場では同氏の政策による変化を先取りする、いわゆる“トランプ・トレード”が活発化しました。減税などで短期的に経済成長率が高まるとの期待から、金融・エネルギーなどの株価が上昇する一方、米金利は上昇しました。それに伴い、外国為替市場ではドル高が進みました。
金融市場で注目する、一つの変化は米金利の上昇です。6日、米国の国債流通市場では、2年などよりも10年、30年と残存期間の長い国債の流通利回り(金利)の上昇が鮮明でした。目先の景気上昇への期待とともに、関税引き上げで米国の物価上昇懸念の再燃も金利上昇に影響しました。米国の国債発行が増え、財政が悪化するリスクも高まったと考えられます。
期間の長い金利の上昇(国債価格の下落)は、米国の経済政策などのリスク(不確実性)の上昇も示唆します。米国の格下げリスクの上昇、先端分野での米中の対立の先鋭化による経済運営の効率性低下などが考えられます。
トランプ氏の政策運営には予測困難の面があり、今後の米国の政策の内容やタイミングは読みづらくなるでしょう。今後、世界経済はトランプ氏の政策運営に大きく影響されることになりそうです。
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1953年神奈川県生まれ。76年、一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。83年7月ロンドン大学経営学部大学院卒業。メリルリンチ社ニューヨーク本社出向などの後、市場営業部、資金証券部を経て、第一勧銀総合研究所金融市場調査部長。現在、多摩大学特別招聘教授。『はじめての金融工学』(講談社現代新書)など著書多数。
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