Contents今こそ知っておきたい持続可能な物流の取り組み

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物流2024年問題の背景と課題

物流2024年問題が様々なところで取り上げられています。これは政府が進める「働き方改革」の一貫であり、2019年4月から労働基準法が改正され、時間外労働の上限規制,年次有給休暇の確実な取得が義務化されたことに伴うものです。トラックドライバーやタクシードライバーなどの自動車運転業務は、他の業務と違って働き方が特殊なため、上限規制の適用が5年間猶予されていました。その猶予期間が終了し、2024年4月から上限規制が適用されるというのがこの問題です。

このように、物流2024年問題が大きな話題となるのは、特に長距離輸送を中心に、従来のような輸送方法では運べなくなるということ、そして輸送能力(供給)全体が落ちる可能性があるためです。


1990年代以降、輸送能力(供給)が物流需要を上回る形で推移してきました。そのため、利用者からみれば、いつでも頼めば短い輸送時間で運んでくれる、荷役、さらには様々な付帯作業(検品やラベル貼り等)もしてくれ、比較的安価というのが当たり前だったと言えます。

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矢野 裕児
【プロフィール】
矢野 裕児

流通経済大学流通情報学部教授。同学部長。日本物流学会会長。
 
横浜国立大学卒業後、同大学院修了。
日本大学大学院博士後期課程修了。
工学博士。日通総合研究所、富士総合研究所を経て現在に至る。
専門は物流、ロジスティクス。
共著『物流論』『ロジスティクス論』中央経済社等。
国土交通省、経済産業省等の各種委員を歴任。

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