Contents米国の景気動向がわが国の経済に与える影響

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これまで、世界経済は米国の景気で支えられてそれなりの落ち着きを保ってきました。ただ、米国以外の国や地域を見ると、一部のアジア諸国を除くとあまり明るい兆候は見られません。世界第2位の経済規模を誇る中国経済は、いまだに停滞から抜け出せないようです。不動産バブルの崩壊などで、先行きの不透明感が払しょくできない状況にあります。欧州もドイツを中心にやや停滞気味です。

主に個人消費に支えられる米国の景気は、わが国の経済に重要な下支え要因になっています。足許の国内経済の動向を見ると、モノの輸出、飲食宿泊などのサービス業、設備投資などで米国の需要関連の分野は相応に底堅い展開になっています。また、来訪客(インバウンド需要)の増加で、宿泊業などの分野は潤っています。

 ただ、いつまでも米国の景気が底堅さを期待することは難しいはずです。このところの米国の雇用統計データを見ると、労働市場は以前ほど需給がタイトではなくなっているようです。今後、労働市場の伸びが鈍化すると、今すぐではないにせよ米国の個人消費は減少すると予想されます。それに伴い、わが国自動車メーカーなどの対米輸出は伸び悩みになるかもしれません。その場合には、国内の景況感が下振れる可能性は高まることも懸念されます。

 

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真壁 昭夫
【プロフィール】
真壁 昭夫

1953年神奈川県生まれ。76年、一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。83年7月ロンドン大学経営学部大学院卒業。メリルリンチ社ニューヨーク本社出向などの後、市場営業部、資金証券部を経て、第一勧銀総合研究所金融市場調査部長。現在、多摩大学特別招聘教授。『はじめての金融工学』(講談社現代新書)など著書多数。

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