Contents[本物にこだわるものづくり] 株式会社江戸屋

2025/05/30
20250530_マイページバナー

この記事は東京三昧カレンダー2025夏号(2025年5月30日発刊)に掲載された内容を一部抜粋したものです。
全文はこちらのデジタルブックでご覧いただけます。(会員登録不要)

 

『東京三昧カレンダー』とは

季節の移ろいや人々の営みのなかにこそ、忘れかけている本来の東京の姿が浮かび上が——
本誌は23区の観光協会や区役所などから寄せられた情報をもとに、東京の魅力を発信する情報誌です。
今号は東京の夏をテーマに、地域に根差した情報をお届けいたします。

 

特集本物にこだわるものづくり

移ろいゆく時代の期待に応えて
~三百年続く刷毛・ブラシメーカーの伝統と革新~

取材・文・撮影:伊藤成明/更屋遥洋

 

江戸屋外観の写真
国登録有形文化財に指定されている江戸屋の建物

央区大伝馬町。数々の問屋が並ぶ江戸時代の目抜き通りであり、蔦屋重三郎が耕書堂を出店したことでも知られる同エリアには不思議な魅力がある。建ち並ぶビルの合間を抜けてふと振り返ると、数百年も前に生きた人々の喧騒がにわかに蘇ってくるような、そんな気持ちにさせられるのだ。

今号では、大伝馬町で1718年に創業し、刷毛・ブラシの製造販売元として“蔦重(つたじゅう)”が生きた時代の文化を伝え続ける「株式会社江戸屋」を取材した。

 

 

 

■徳川将軍家から「江戸屋」の屋号を賜る

江戸屋の歴史は、はるか西の都・京都から始まる。初代・利兵衛が京都で刷毛づくりを学んだ後、徳川七代将軍家継のお抱え刷毛師に任じられたのだ。「当時は屏風や襖の表装に使われる刷毛や化粧刷毛などを納めていた。その後、1718年に将軍家から『江戸屋』の屋号を賜り、江戸刷毛の専門店として開業することになったと伝えられている」と、12代目当主の濵田捷利(はまだ かつとし)さんは語る。

300年以上続く江戸屋は、時代の生き証人でもある。幕末に関東大震災、第二次世界大戦……。太平洋戦争の時分には「江戸屋工業」として合同会社を設立し、日本軍にレンズ用のブラシを納めていたという同社。時代の荒波に揉まれつつ、40~50年ほど前からより多種多様なブラシの製造・販売に力を入れるようになった。現在は刷毛だけでなくヘアブラシや歯ブラシ、タワシ、洋服ブラシなど、約3,000種類の商品を取り扱っている。

「ヘアブラシだけでも『かため』『ふつう』『やわらかめ』といった20種類以上。工業用の洗浄ブラシや研磨ブラシともなれば、サイズ・製造法が一つ一つ微妙に異なるため、さらに種類は膨らむ。工業用ブラシの需要はいま、特に高い。消費者の見えないところで、江戸屋のブラシが製品を支えている」と捷利さんは微笑む。

はまだ かつとし さんの写真
十二代当主の濵田捷利(はまだ かつとし)さん

 

(残り1231文字)

この記事は東京三昧カレンダー2025夏号(2025年5月30日発刊)に掲載された内容を一部抜粋したものです。
続きはこちらのデジタルブックでご覧いただけます。(会員登録不要)

 

 

==========<企業情報>==============

株式会社江戸屋

創業:1718年
所在地:〒103-0011 東京都中央区日本橋大伝馬町2-16
TEL:03-3664-5671
営業時間:月~金/9:00~17:00(土・日・祝祭日定休)

==============================

 

 

記事の続きは、東商マイページ
「会員限定コンテンツ」に
掲載しております

はじめてユーザー登録する方

記事の閲覧には東商マイページのユーザー登録(無料)が必要です。

※既に東商会員の方も、別途マイページのユーザー登録が必要です。

最短3分で登録可能!

ユーザー登録がお済みの方

既に東商マイページのユーザー登録がお済みの方は、下記ボタンよりログインのうえ閲覧ください。

アンケートにご協力ください

ご記入いただいた内容については今後の掲載内容の改善に利用させていただきます。

q.このページの情報は役に立ちましたか?

一覧へ戻る