Contents【販路開拓+α】今、バイヤーが求めているもの(食品バイヤー座談会)

2025/12/12
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トップ食品バイヤーから学ぶ!
売れる商品開発の秘訣
~バイヤーが取引したいと思う会社とは?~

バイヤー座談会1

「作った商品に自信はあるのに、なぜか売れない」「どんなに熱心に商談しても、反応がイマイチ」――皆さんに、そんな経験は無いでしょうか?そんな時、お薦めするのがバイヤーの目線に立つことです。作り手の思考だけだと、どうしても自分本位な商品の売り込みになりがちです。腕利きのバイヤーは作り手と消費者、双方をとり持つ第三者の視点で常に市場を冷静に観察しています。その結果、「売れる」「売れない」を経験と勘で感じ取れるようになっていくのです。

今回は東京商工会議所が主催したバイヤー座談会の内容をもとに、商品供給者(サプライヤー)が販路拡大するために何を意識すればいいのかを探っていきます。語るのはヒット商品やロングセラー商品を数多く輩出してきた敏腕のバイヤー3名。

第一線で活躍する彼らが、いかにヒット商品を見抜いているのか。そして、これからの売れ筋商品は何か。ぜひ「バイヤー目線」を知り、自社の商品開発や広報活動に役立ててください。

ゲストバイヤー
岩崎忠之氏(株式会社信濃屋食品 商品部 部長)
横井昌章氏(株式会社ごっつお便 チーフマーチャンダイザー)
高田浩一氏(株式会社JALUX マネージャー)

MC ファシリテーター
金久保徹氏(株式会社プレジデント社 特別顧問 編集事業本部担当)

(文中敬称略)

ネーミングとコンセプトを変えて大ヒット!
売れる商品に共通する美味しさ+αの要素

バイヤー座談会2

座談会で語ってもらった最初のテーマは、バイヤーの皆さんの思い入れがある過去のヒット商品について。3人の経験に共通して見えてくることはヒット食品は必ずしも「美味しさ」だけで成立しているわけではない、ということです。

横井:私のヒット商品として思い出すのが、京都の老舗料亭「たん熊北店」とコラボして出した「海鮮椀」です。私どものカタログギフトでは各種の鍋が根強い人気ですが、どうしても冬場以外では売上が落ちてしまう…。そこで「海鮮鍋」ではなく、「海鮮椀」という名前でオリジナル商品を開発しました。日本海産の食材を使うなど、素材にこだわったのはもちろんのこと、冷やしても美味しくいただけるように改良したことで、通年でお客様にしっかりと支持していただけています。

岩崎:私の思い入れがある商品は日本の伝統的な木桶仕込みの醤油を使ったおかきとナッツですね。特にナッツは最初にバチンと醤油そのもののシンプルな味がして、その後にナッツの甘みに変わっていくという二段階で楽しめる深い味わいが人気で、現在も年間3000万円以上売れるベストセラー商品になっています。もともと、「木桶で仕込んだお醤油はこんなにも違うのか」と、消費者に感じて欲しいという思いがあり、そうした伝統文化に触れるきっかけ作りに貢献できたことが嬉しかったですね。

高田:私が扱う商品は爆売れするようなヒット商品は少なくて、コアなお客様に選んでいただいて長くご購入いただいている商品が多いです。特にその中でも、「被災地巡り」といった形で熊本地震の後に取り扱った現地の商品には深い思い入れがあります。

MC金久保:皆さん、食に関する多彩な情報をお持ちですが、そうした情報やトレンドをどのように入手されているのでしょうか?

高田:情報収集の方法は単純で、その土地へ行って、食べさせてもらう。これに尽きますね。

岩崎:私の場合も現地に行って、その土地の気候・風土・歴史を感じ取ることを大切にしています。作り手と出会い、どれだけ手間と情熱をかけながら作っているかといった話を聞くのが一番多いです。

横井:私も同じです。インターネット上の情報だけだと、やはりサプライヤーさんの熱意や思い入れみたいなものはなかなか伝わってこないですからね。そういった意味では、東京商工会議所が主催する商談会に参加させていただき、そこで出会った商品を見るために地方に赴き、サプライヤーさんと直に話せるきっかけを作っていただけるのは非常にありがたいと思っています。

今、バイヤーが求める商品~キーワードはSDGsと彩り

続いての座談会テーマは「今、バイヤーが求める商品」。3人の関心は単なる美味しさにとどまらず、「サステナビリティ」や「消費者行動の変容」など、高い視点に向いているようです。はたして、それをどのように自社商品に活かすのか?3人の言葉からヒントが見えてきます。

バイヤー座談会3

高田:今、私が注目している商品にル・レクチェ(西洋梨の一種)の果汁を使ったグミがあります。この商品の何がすごいのかというと、まず生産者が製造、加工、販売までを執り行う6次産業化商品であること。それからSDGsに配慮されている上に、他に類を見ない美味しさです。

MC金久保:「他に類を見ない美味しさ」とは、どれほど美味しいのでしょう?

高田:果実感がものすごくて、「本物のル・レクチェよりおいしい」です。質の高いル・レクチェを安定的に通年で供給することは難しいのですが、だったら、こっち(グミ)の方でいいじゃないのと、当社スタッフの間でももっぱらの評判です。

岩崎:美味しさとサステナブルを組み合わせた商品が注目されることについては私も共感します。同じ意味で私が注目しているのが沖縄県うるま市のスタートアップ企業が開発した「うま藻」です。この商品は泡盛の残渣(ざんさ)と独自の発酵培養技術を用いて作られた旨味を持つ藻です。その味もさることながら、注目すべきはこの会社の最終目標。この会社は養殖業界での魚粉(養殖用の魚の餌)をゼロにすることを目指しています。今、養殖業界は魚を食べさせて別の魚を増やす…つまり、マグロ1キロに対し、そのエサとなる小魚が何十キロ必要といった本末転倒なことをやっているのですが、そうではなく、食品残渣や最新の技術を応用して持続可能な環境づくりをしながら、美味しい物と環境を子どもや孫の世代に残していきたいと考えているのです。

MC金久保:そのようなサステナブルを意識した商品開発と情報発信は大いに参考になりますね。横井さんの注目商品は何でしょう。

バイヤー座談会4

横井:私の場合、ギフトのバイヤーなのでカタログやスマホの画面の数センチ角の中で、消費者の方がいいなと思ったらカートに運んで買い物するという時代になってきていることを痛切に感じています。やはり、購入のきっかけはビジュアルなのです。ですから、私の注目商品は見た目にインパクトのあるフルーツバーです。普通のアイスバーじゃなくて、いろんなフルーツがトッピングしてあり、カラフルなのが画期的。他にも、下のアイスバーの部分が抹茶の緑色であるものや、いちごの赤色、ブルーベリーの紫色などがあり、いずれも彩り豊かで、よく売れています。

売り込むならセールストークを磨くより、情熱と見た目
~本音で語るバイヤーの選定基準

続いてのテーマはサプライヤーが商談で成功するための具体的なポイント、「バイヤーの選定目線」について話を伺いました。売り込みをかけるとすれば、バイヤーはどんなふうに商品をアピールして欲しいのでしょうか?

バイヤー座談会5

岩崎:サプライヤーの皆さんには自社の強みを本気の情熱を持ってアピールして欲しいですね。セールストークの上手い下手は関係ありません。どんな商品でも必ず「強み」はあるはずなので、そこをしっかりとご自身で理解して説明していただければ必ず刺さるところがあると思います。

高田:私の場合、売り込みで最も重視するのは「信用」ですね。正直に何でも話してもらいたい。ギフトだと、どうしても欠品等でお客様にご迷惑をおかけするケースもあるのですが、その際にも本気で頑張って、最後まで対応してくれているかどうかで、信用の差が出ます。できないならできないで構わないので、「ここまでならできます」というのを正直に言える方とお取り引きしたいですね。

MC金久保:横井さんは、商品をどのように売り込んでほしいでしょうか?

横井:僕はギフトバイヤーなので、売り込む際にはパッケージのデザインや彩りを気遣って欲しいです。第一印象で「売れる」「売れない」というのは必ず分かるので。以前、栃木県の商談会に参加させてもらった時、大根農家の方が作った大根ジャムを見せてもらったことがあります。大根ジャムですから、見た目は真っ白。栃木ですから、周りにはイチゴとかブルーベリーとかカラフルなジャムがいっぱいある。その中に普通に白い大根ジャムを瓶に詰めて並べても、売れるわけがないですよね。でも、小さめのマヨネーズのような容器を逆さにして、大根に見立て、大根葉のような緑色のフィルムを付けたパッケージに入れて売ればどうでしょう。そうすれば、パンに塗る時も手が汚れないですし、ビジュアル的にも面白くなる。売り込む際には、そういったビジュアル面での工夫や発想の転換は必要でしょうね。

バイヤー座談会6

MC金久保:サプライヤーの皆さんは商品の値付けについても悩んでいる方が多いと思います。値段はどうやって決めればいいのでしょうか?

高田:「この土地で売るなら、この値段」といった先入観にとらわれてほしくないですね。地方で売られている商品を我々が百貨店に卸ろす時、安すぎて卸せないこともあります。ですので、地元で売る商品と全国展開する商品のブランドを分けてご案内いただくのが一番ありがたいです。

岩崎:我々は反対にスーパーをやっていますから、価格には敏感です。ただし、高いか、安いかの二元論には陥ってもらいたくないです。作る工程とか思いとか、ストーリー性のある物語をしっかりと表現しながら消費者に理解してもらえる値付けをすることが大切ですね。

MC金久保:最後に、販路開拓に悩むサプライヤーの皆さんへメッセージをお願いします。

高田:もし、実際に困っていることがあるのなら、それをバイヤーに相談するようなスタンスで商談に臨んでください。それが私は一番ありがたいですね。

岩崎:絶対に自分自身の強みは必ずあると思います。そこをしっかりと軸を持ちながら、消費者が「これ何?」と驚くような、サプライズ感を含めて表現してほしいと思います。

横井:物を売りたい、という商売ありきではなく、まずは商品をバイヤーに見せて意見を聞くところから始めてみてはどうでしょう。そこで思いや熱意が伝われば、我々の心も必ず傾いていくと思います。

共通する意見は小手先のセールスや売り文句はバイヤーに通用しないということで、自分の強みを深掘りし、本物の情熱を持って、商品開発やPRに挑む必要があることを語っていただきました。いずれにせよ「自社の強み」を活かし、ビジュアル面に注意しつつ、情熱を持って商品を作る。それこそが、売れる商品開発の秘訣のようです。さらに詳しいことは動画を視聴し、彼らの言葉の端々から多くを感じ取ってください。

「取引拡大のヒントに。」の動画では、

  • 商談会・展示会の「参加前」・「商談時」・「商談後」など各フェーズに合わせ活用可能
  • バイヤーに刺さる製品開発・価格設定の方法、ブランディングの方法まで解説

など、
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