Contents変調の兆しが出始めた米国経済とわが国経済への影響

これまで世界をけん引してきた米国経済に、足元で変調の兆しが見え始めています。最近発表された経済指標を見ると、物価の高止まりやトランプ政権の関税政策などもあり、消費者や企業経営者の景況感が徐々に軟化し始めているようです。それに伴い、株式や為替などの金融市場の展開はやや不安定になっています。
3月4日、トランプ大統領は連邦議会議事堂の施政方針演説で、関税政策を使って製造業の米国回帰を目指す方針を示しました。トランプ氏のやや強引ともいえる政策運営は、米国内の消費者や企業経営者にも不透明要因の一つになっているとみられます。それに加えて、2021 年春以降の物価の上昇、一時の金利高止まりの影響から、低所得層家計の信用リスクも上昇傾向です。今すぐではないものの、米国の先行きに黄色信号が灯りつつあるとみるべきでしょう。
米国経済の減速が鮮明化する中で、関税政策などによる物価上昇が顕著になると、わが国を初め世界の経済にも大きなマイナス要因となることは間違いありません。それは、株式や為替など金融市場に重要な影響を与えるはずです。米国に代わるけん引役は見出しづらく、グローバルな景況感も一段と悪化するリスクがあるでしょう。そのリスクは小さくはありません。
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1953年神奈川県生まれ。76年、一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。83年7月ロンドン大学経営学部大学院卒業。メリルリンチ社ニューヨーク本社出向などの後、市場営業部、資金証券部を経て、第一勧銀総合研究所金融市場調査部長。現在、多摩大学特別招聘教授。『はじめての金融工学』(講談社現代新書)など著書多数。
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