Contents【サービス業向け】人手不足時代、何が求められるのか

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1.人手不足の時代

人手不足が深刻だ。レストランに行けば、店外に行列ができていても、客席がすべて埋まっているわけではない場合がある。従業員が足りず、受け入れ人数を抑制しているのだろう。インバウンド需要に沸くホテル業界でも、従業員不足を理由に、客室を満室にできないとの声を聞く。

一時的な人手不足であれば、働き手の労働時間を伸ばしたり、少々であれば労働密度を上げたりして、売り上げを伸ばしたいと考えるかもしれない。だがその結果、従業員に離職されたら困る。そうした判断から、売り上げの増加よりも、従業員の定着を重視する経営者が少なくない。

人手不足の度合いは、有効求人倍率ではかることが多い。厚生労働省によれば、2024年6月の有効求人倍率(季節調整値、パートを含む)は1.23だった。有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合である。数値が高いほど人手が不足しており、この値が1を下回ると人が余剰である状態を指す。

有効求人倍率の長期推移を示したものが図1である。有効求人倍率は景気が良ければ数値は上昇し、景気が悪くなると数値は低下するもので、アップダウンが激しい。ゆえに景気動向をはかる重要指標の一つでもある。

 

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首藤 若菜
【プロフィール】
首藤 若菜

立教大学 経済学部 教授

 

日本女子大学大学院人間生活学研究科博士課程単位取得退学、博士(学術)。その後、山形大学人文学部の助教授、日本女子大学家政学部の准教授などを経て、現在は立教大学経済学部の教授としてご活躍。著書に『雇用か賃金か日本の選択』(筑摩選書)、『物流危機は終わらない―暮らしを支える労働のゆくえ』(岩波新書)、『グローバル化のなかの労使関係―自動車産業の国際的再編への戦略』(ミネルヴァ書房)など。

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